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鉄板で製茶してみる

 長野県南端、静岡県境の天龍村と遠山郷(飯田市上村・南信濃)はお茶の産地です(あと県内では木曽谷も)。気候が温暖で向いていることに加え、傾斜地を有効に活用できるので、昔から多く作られてきたのでしょう。天竜川を眼下に見下ろす天龍村中井侍地区の急傾斜の茶畑がよく新聞やテレビのニュースに取り上げられます。

 このあたりで茶摘みが始まるのは例年5月の大型連休の後半くらいからで、だいたい八十八夜(立春から数えて88日目、今年は5月2日)の後になります。今年は3~4月の気温が低かったために若葉の生育が遅れ、5月中旬からになりました。

17051501 これらの地区から外れた飯田市中心部あたりでもお茶が作られていることがあり、小さな茶畑も見られます。わが家では茶畑はありませんが、生け垣の一部がお茶の木で、自家用の足しにするくらいの葉は摘むことができます。以前は20kg以上の生葉を摘んでいました。高級品を作るなら本当に若い芽だけを摘みますが、自家用で品質は二の次なので、そこそこ大きくなった若葉を摘みます。

 茶摘みはいいとして、問題は製茶です。以前は近くに製茶工場があり、そこに持ち込んで製茶してもらったのですが、何年も前に閉鎖してしまい、その後は車で1時間ほどかかる遠山郷の製茶工場に持ち込んでいました。それも面倒ということで、この2年ほどは茶摘みをしなかったのですが、今年は4kgほど摘んでみました。さて、それをどうしたものか。思い切って自家製茶をやってみることにしました。失敗しても元々ですから…

 ホットプレートで製茶できるという話はネット上で知っていて、やってみたことがあります。しかし4kgという量になると、少量ずつに分けたとしてもホットプレートではやり切れません。
 そこで「なんちゃって焙炉」を作ることにし、フレームに金網を張り、その上に紙を張って、下でストーブをたいて製茶してみました。何しろ初めてで、知識も技術もないのだから、上手くいくわけがありません。それでも、それなりにお茶のようなものはできました。
 技術以前の失敗が2つ。1つは生葉を長く蒸し過ぎたこと。もう1つは製茶の温度が少し高過ぎたこと。これらは調整すれば解決できそうです。やってできないことはないでしょう。

 しかし、1回ごとに紙を張り替えなければならないことに気がついて、面倒になりました。それに何より、このやり方は危険です。ストーブの上方は十分に物が燃える高温です。茶葉が湿っているうちは燃えませんが、からからに乾いた状態になればあっという間に火がつきます。洗濯物をストーブの上で乾していると火事になるのと同じです。危険なのでこの方法はお勧めしません。

 他に方法がないかと考えた結果、ホットプレートでできるのなら鉄板でもできるだろうと考え、安直にフレームの上に焼肉用の大きな鉄板を置いて製茶してみることにしました。
 …その結果、上手くいきません。香り高い煎茶などはとても無理。何とかできたとしてもせいぜい、ほうじ茶のようなものが関の山です。もちろん鉄板の温度や技術などの問題はあるでしょうが、それだけではない感じです。型枠に和紙を張った伝統的な焙炉がいかに優れた道具なのか、思い知る結果になりました。

 この地域では昔は製茶も多くの家で行われていました。和紙を張った焙炉を使う手揉み製茶です。この地域では昔は和紙も炭も多く作っていたので、みんな地元産で間に合っていたわけです。
 母の話によると、母の父は手揉み製茶が上手だったそうです。残念ながら母はその技術を受け継いでいないので、どんなやり方をしていたか分かりません。道具も残っていません。焙炉が残っていれば良かったのですが、残念です。

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