« 飯田の桃の節句は月遅れ | トップページ | 飯田周辺の銘桜―その2 »

飯田周辺の銘桜―その1

 きょう4月5日、天龍峡と市街地周辺の一部の桜が開花しました。明日あたり、中心市街地の「大宮通り桜並木」の標本木(ソメイヨシノ)も開花するのではないでしょうか。平年(4月4日)より少し遅い程度ですが、近年は3月下旬に咲くことが多いので、ずいぶん遅く感じます。市街地周辺など平地では、今週末から来週にかけて一斉に見ごろを迎えるでしょう。

 開花情報は飯田市ホームページの「さくらさく」をご覧ください。おもな銘桜の地図や交通案内もあります。
 南信州広域連合と飯田観光協会が運営する「南信州ナビ」ホームページの観光―桜コーナーにも、32か所の桜が紹介されています。

17040501 飯田周辺には桜の古木・銘木や名所がたくさんあり、近年、人気を集めています。県や市町村の天然記念物に指定されているものが20件以上。さらに昔から知られる銘桜に加え、近年新たに名前がつけられた桜もあり、その数は100近くに上ります。
 桜前線はおおむね南から北へと進むものですが、この地域ではそれ以上に標高の影響が大きく、平地から山の上へと次第に桜前線が上ります。早いところと遅いところでは開花や見ごろの時期が1か月前後も違い、市街地から少し足を延ばせば、長期間さまざまな桜を見られるのもこの地域の特長です。

 樹齢数百年以上になる木もあるとはいえ、桜も寿命のある生き物なので、古くなると勢いも衰え、傷も目立ってきます。古いほどいいというものではないので、初めて訪れる方は、まずは勢いのある盛木を楽しむことをお勧めします。それから古木にも足を運んで、風雪に耐えてきた年月を思い、それぞれの味わいを楽しんでください。

   ☆   ☆   ☆

 現在の飯田でもっとも見応えのある銘桜といえば、まずは「安富桜(長姫の江戸彼岸)」と「麻績の里 舞台桜」の2本で異論はないでしょう。

<安富桜>写真右上が昼、右下がライトアップ
 中心市街地の飯田市美術博物館(飯田市追手町2)の前庭にあります。ここは飯田城二の丸の跡で、ここに住んでいた飯田藩(堀氏)家老の安富氏が植えた桜と伝えられています。「安富桜」と広く一般に呼ばれるようになったのは近年で、長野県天然記念物としての登録名は「長姫のエドヒガン」です。
 堀氏が脇坂氏に代わって藩主として飯田に入ったのは寛文12(1672)年なので、その直後に植えられたとすると、推定樹齢350年前後になります。すでに古木といえる樹齢ですが、まったく衰えを感じさせず、まさに今が盛りの風情。樹高20m、幹回り数m、地上から高さ2.2mほどのところで大きく4本に枝分かれし、四方に枝を広げて堂々たる樹形を形成しています。例年の見ごろは4月上中旬です。

17040502<麻績の里 舞台桜>写真左上が昼、左下がライトアップ
 飯田市座光寺自治振興センターの裏側の高台、旧座光寺麻績学校校舎(県宝)の前庭にあります。以前は「旧座光寺小学校の枝垂れ桜」と呼ばれていましたが、平成17(2005)年に改めて「麻績の里 舞台桜」と名付けられました。
 旧麻績校舎は明治7(1874)年に建てられて昭和60(1985)年まで使われた小学校の建物ですが、1階が芝居舞台、2~3階が学校という変わった構造をしています。明治初期、この地域では地芝居(農村歌舞伎)が流行っていて、ここでも先に舞台を建設する計画が決まっていましたが、学校も必要になり、舞台と学校を合体させて建てたのだそうです。現存する県内最古の木造校舎で、舞台も県内最大規模です。桜の名前はこの校舎にちなんだものです。
17040503 この桜は半八重彼岸枝垂れ桜という特殊な種類で、財団法人「日本花の会」によって新品種と判定されました。1本の木に5~10弁の花(正確には、5弁花で、雄しべが花弁に変化した旗弁がいくつか混ざる)が咲きます。平成16(2004)年に花弁の出現率を調べたところ、5弁花15%、6弁花33%、7弁花25%、8弁弁19%、9弁花7%、10弁花1%で、10弁花はなかなか見つからないようです。飯田市天然記念物です。
 推定樹齢350年とされています。例年の見ごろは4月上旬。今年は8・9日に桜祭りがあり、小学生による桜ガイド、邦楽演奏、茶席などが予定されています。

 なお「麻績の里 舞台桜」の近くに、「麻績の里 石塚桜」(写真右)と名付けられた桜もあります。石塚1号古墳という6世紀後半の円墳の上に立つ、推定樹齢250年の枝垂れ桜です。

 (つづく)

« 飯田の桃の節句は月遅れ | トップページ | 飯田周辺の銘桜―その2 »

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/602624/65112317

この記事へのトラックバック一覧です: 飯田周辺の銘桜―その1:

« 飯田の桃の節句は月遅れ | トップページ | 飯田周辺の銘桜―その2 »