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焼肉のまち飯田

 さっきNHKニュースシブ5時で「焼き肉王国・飯田」を紹介していました。飯田の焼肉のことはいずれ書こうと思ってネタ帳に上げてあったのですが、ちょうどいい機会なので書いておきましょう。
 コーナーの冒頭で紹介していた通り、飯田は日本一の焼肉のまちで、人口1万人あたりの焼肉店数(iタウンページによる)が5.31店もあり、ダントツの日本一です。2位は北海道北見市の4.86店で、このトップ2はどの調査でも動きません。3位は調査によって微妙に順位が変わっていますが、三重県松阪市、福井県福井市、鳥取県米子市などが3.5店前後で並びます。
 この話は最近、多くの新聞やテレビ、雑誌で相次いで「意外な日本一」として取り上げられており、きょうシブ5時で取り上げていた話はだいたい過去の新聞・雑誌の記事に出ています。
 焼肉店が多いだけではありません。家庭でもよく焼肉を食べ、私の家にも小型ガスボンベ、コンロ、鉄板、ジンギスカン鍋、焼き網がありました(今はカセットコンロ、ホットプレートですが)。またちょっとした人数の懇親会、地域の集まりなども屋内外を問わず焼肉が多く、春は花見で焼肉、夏は花火で焼肉、秋は山行きで焼肉という感じです(花火というのは打ち上げ花火で、飯田周辺では地域ごとに花火大会があります)。

 焼肉というと、みなさんは何を思い浮かべるでしょうか? カルビ? ロース? タン? 違います。飯田で焼肉といえば、キーワードに上がるのはマトン、ジンギスカン、ホルモン焼、山肉といったところです。10年ほど前からここに南信州牛が加わりました。
 私も子どものころ焼肉で食べたのはもっぱらマトンでした。豚肉や鶏肉が入ることもありました。大学に進んで県外に出るまで、牛肉を食べたことは2、3回しかないと思います。カレーやすき焼きは豚肉でした(飯田周辺は昔から養豚が盛んで、千代幻豚というブランド豚もあります)。
 スーパーでパック詰めで売っている味付け済みのジンギスカンもよく食べました。ジンギスカンといえば中身はマトンですが、同じように味付けした豚ジンギスカン、鳥ジンギスカンなども売られており、よく食べられています。
 焼肉店でビールや日本酒を飲みながら食べる焼肉は、サガリ(ハラミ)などの内臓肉が主体です。飯田では「ホルモン」という言葉はあまり使いません。最近はカルビなども一般的になっていますが、飯田で焼肉といえば、特にホルモンと呼んで区別することなく普通に内臓肉を食べます。
 遠山郷(今では合併して飯田市の一部)の精肉店ではシカ、クマ、イノシシなどの山肉も売っています。近年はジビエ料理の人気が高まり、地元でさまざまな料理法を工夫したりもしています。これらは狩猟によって捕獲されますが、昔は多くの家でウサギやニワトリ、ヤギを飼っていました。どちらも山国の大事なタンパク源で、これらも飯田の食肉文化と無関係ではないでしょう。
 山肉は基本的に鍋(煮込み料理)で食べるもので、肉を焼いて食べる食文化は戦後に広がったものと思われます。その理由については、満州開拓団の人たちが戦後に日本に持ち帰ったとか、いろいろな説がありますが、はっきりしたことは分かりません。

 飯田の焼肉は高価な高級焼肉ではなく、手頃な値段でおしいく食べられる庶民の食べ物です。飯田にお立ち寄りの際はぜひお気軽に焼肉店に入ってみてください。

(付記)
 上記で触れた「南信州牛」は、10年前の2006年からブランド化の取り組みが始まり、飯田市農業課に南信州牛ブランド推進協議会の事務局があります。もともと高品質の和牛を生産しており、関西などの市場からは高い評価を得ていたものの、地元では知られておらず、地域ブランドの位置付けにはなっていなかったため、改めて名称を定めてブランド化を進めています。
 2011年には、第7回全日本牛枝肉コンクール(大阪府畜産会、大阪市食肉市場協議会など主催)で、飯田市の生産者が出品した南信州牛が最高賞を受賞し、品質の高さが認められています。
 現在は地元の精肉店で販売したり(通販もあり)、ホテルなどでも提供されています。

 このほか飯田の食肉文化といえば、馬肉(馬刺し、おたぐり)も欠かせないのですが、焼肉ではないので、これについてはまた別に書きます。

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